ブームを煽るように書店に平積みされる数多くの株やFXの書籍を見ると、中には短期的な取引で誰もがいともたやすく大金を稼ぐことができるようなタイトルやPOPで彩られた「ジャンク」なものが混ざる。(インターネットでは逆にそういったものがスタンダード(笑))
短期売買の投資ゲームで、一般個人投資家が一時的に儲かることはあっても、長期的に高いパフォーマンスを維持することは極めて難しいということは、金融先進国では公知の事実であるにもかかわらずである。
サルに投資ゲームをさせてみたとしよう。サルを100万匹集めて、売るか買うかを操作させる投資ゲームを20回させてみたとする。結果は当たり前だが、半数のサルは儲け、残り半数のサルは損をする。全体の平均値、損益はゼロ。だが、一度も負けないサルが確率的に1匹生まれる。これは偏差の産物でしかないのだが、このことが理解できないと、ありもしない「金のなる木」探しで膨大な時間を浪費してしまうことになる。
努力を嫌い、すぐに結果のみを欲しがる傾向の人が増えているのか、この手のジャンク的なものの方が売れ行きがよいのは悲しい現実ではなかろうか。
日本はまだ、世界的に見て裕福な国であり(投下資本があるということ)、規制緩和から外国為替投資が解禁され、さらにブロードバンドや取引手数料の引き下げ等のインフラ整備もほぼ完了しているこのすばらしい環境。
足りないのは投資知識のみではないのか?
2008.08.31
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