インサイダー情報による取引などは論外だが、そのマーケットでは仕手筋(してすじ)が圧倒的に有利であり、機関投資家など大資本に翻弄される。
取引時間もマチマチ。
また、一時期もてはやされた新規公開株(IPO)などは不公平の塊。
上場をゴールに粉飾する企業も散見する始末。
株式投資はその企業の将来性を鑑み、応援の意味で保有、値上がり益を狙う長期投資がやはり基本であろう。
しかし、これは不確定要素が大きすぎる。しかも国内企業にはもうその力はないといっても過言ではない。
従って、積極的・安定的資産運用にはまるで向かないといえよう。
もし、それでも株をはじめるのであれば、“安定的リターン”の利回り目標は、株式投資のリスクプレミアム である8%程度に置くのが一つの目安になるであろう。インフレ率2%が本気で起きると思っている方は、インフレ率分を足して10%を目標にされるとよい。
最後に、最近売り込みCMをよく見るNISA(少額投資非課税制度)だが、毎年100万円までの運用益に対する税金が必要ないというのは、例えば20%運用できたとして4万円が非課税になるというもので、これに魅力を感じる投資家は少ないだろう。
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仕手筋) 人為的に作った相場で短期間に大きな利益を得ることを目的に、公開市場(株式、商品先物、外国為替等)で大量に投機的売買を行う者のことをいう。
IPO) 「Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させること。
リスクプレミアム) 不確実な価格変動を伴う金融商品の期待収益率 - 国債などの安全資産の金利。
NISA) 2014年1月からスタートした非課税制度。年間100万円までの投資から生じる譲渡益や配当が5年間非課税となる。
2015.07.27