年利が50%以上もまわった話や、短期転売を繰り返すことでの倍々ゲーム、地上げにより価値を大きく吊り上げたのはもうすでに伝説となりつつある。
いまは利回りが10%もあればかなりの優良物件であり、悪質業者が相続税対策に土地所有のお年寄りから金を騙し取ったという類のニュースをよく耳にするようになってきた。
不景気により自己破産した古家を安く買い叩き破格の値段で取得、再生するビジネスもあるようだが、元々その不動産自体が不良物件であり、人口減少社会にあってあり余る物件を押しのけて入居者を捜すのはかなりの難事業であるといえよう。
もし、10%でまわったとしてもメンテナンスや固定資産税、寿命の短いその物件の解体費を考えれば、おいしい投資とはいえない。
これはREIT 1)も同じ。
もし、キレイな人口ピラミッドを有する新興国に不動産を保有でき、海外不動産の管理方法が確立されているのであれば、50年前の日本と同じようにかなりの収益を期待できると思うが、その国の政策に大きく左右されることが懸念材料であろう。
流動性リスクが大きすぎ、現金化が難しい点は、すべての不動産投資に共通する欠点であることはいうまでもない。
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1) 「Real Estate Investment Trust」の略。多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品。日本では頭にJAPANの「J」をつけて「J-REIT」と呼ばれている。
2015.08.06