―― まず、資産運用を始められたきっかけについて教えてください。
私はIT関係の仕事をしており、金融についての知識はまったくありませんでした。そんな私が自分の将来について漠然と意識するようになったのは、
実家に帰るたびに、両親が自分たちの老後の年金生活について話し合っている姿を目の当たりにするようになってからです。両親はいわゆる「団塊の世代」で、充実した老後を送るためにはどうしたらよいかについて真剣に考えていました。特に母は、「この低金利時代に、資産を預貯金として寝かしておくのはもったいない」とよく言っていて、資産運用に積極的に取り組んでいましたね。毎日、新聞を読み、経済の動向もウォッチしていたようです。
―― ご両親の影響があって始められたんですね。
そうですね。そんな両親の姿を見ているうちに、私が老後を迎える頃、はたして年金制度はどうなっているのだろうかと、自分の将来に不安を覚えるようになったんです。この先もお金オンチのまま暮らしていったら、将来厳しいことになるんじゃないか、という気持ちが沸々と湧いてきて。今すぐお金の勉強を始めなければ!という思いが高まり、資産運用のイロハから学び始めました。
―― なるほど。具体的には、どんなことを学んだのですか。
世の中には、「一発当てて大金を儲ける方法」ばかり探している人もいますし、個人投資家の中には、日本株の銘柄を個別に購入して、株価の上がり下がりに一喜一憂している人もいると思います。しかし私が勉強したのは、経済のしくみをはじめ、「投資はギャンブルではない」、「資産運用は株だけではなく債券や外貨にもバランス良く投資することが大切」といったような、資産運用に関する基本的な考え方でした。私自身、一攫千金を狙うためのノウハウを身に付けたかったわけではありません。自分には真似できないと思っていましたし、むしろきちんとお金について勉強したい気持ちが強かったのです。
―― 実際どのように資産運用を始められましたか。
最初は、2万円から資産運用を始めました。まず証券会社で口座を開き、購入時に手数料のかからない「米ドルMMF」と、日経平均に連動する投資信託「日経225ノーロードオープン」を1万円ずつ買いました。
―― 実際に始めてみたときの感想は。
実際に始めてよかったのは、「時価」というものが何かを身をもって体験できたことです。これは私にとってエポックメイキングな体験でした。「時価」という言葉は知っていましたが、きちんと理解していなかったんですね。私にとって、目の前の1万円札の価値は、今日も明日も変わらず1万円だと思っていましたから。ところが、日経225ノーロードオープンを1万円で買った翌日、9985円に目減りしていたのです。自分のお金が減るのを見るのはショックでしたが、そのとき初めて「時価」というものが何か、身をもって知りました。
―― 実際にやってみないとなかなか理解できない感覚かもしれませんね。
はい。お金には絶対的な価値があると信じていた私は、そのとき初めて、今後価値基準がどう変化していくか分からない世の中で、金融商品や不動産を買う人がいる理由、インフレや円安になると、資産が実質的に目減りすることがあるという意味が、はっきりと理解できたのです。今まで、現金、預貯金というごく限られた世界の中だけで、お金と関わってきた私は、資産運用をやらないことのリスクを知りました。
―― 資産運用を始めて、いちばんよかったことは何ですか。
身をもって資産運用の大切さがわかったこと、そして3年前に比べて資産が4倍に殖えたことです(笑)。この金額はすべて資産運用による利益からくるものではありませんが、もし資産運用を始めていなかったとしたら、ここまで殖えていなかったでしょう。また、世の中で起こっていることとその意味が、以前よりもずっとクリアに分かるようになりました。そして年金制度の問題など、資産運用を始める前に抱いていた将来に対する漠然とした不安からも少し解放されました。
―― 人生そのものにもよい影響があったわけですね。
はい。大げさかもしれませんが資産運用を始めてから、人生観も大きく変わったと思います。将来への不安から、とにかくため込んでしまうような「キャッシュストック」の人生ではなく、より積極的な「キャッシュフロー」の人生であり続けたいと思うようになりました。何事にも前向きに取り組めるようになったせいか、仕事のキャリアアップにも成功し、プライベートでは結婚もしました。これからは、殖やす楽しみもありますが、使う楽しみにも重点をおいていきたいと思っています。
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