投資=「お金の生活習慣病」に対する特効薬

田上 絵里子さん(仮名・女性40歳)
職業 カウンセラー
投資歴 10年
投資資金 1000万円

 田上さんの職業は企業カウンセラー。平均週3〜4日の勤務ということで、時間的にはかなりゆとりがある。個人投資家としての顔も持つが、仕事以外の時間は情報収集や投資のための勉強会などにも積極的に参加している。
 実は、もともと経済や投資に関する話はどちらかというと苦手だったという彼女だが、現在は、商品先物取引に始まり株、為替など様々な投資にチャレンジ。その投資観や経験に頼りたいという知人や友人にもアドバイスを求められるようになったという。
 ご自身にとって投資は「お金の生活習慣病」を直すのに最適だったと感じており、投資と精神性の結びつきにも大変興味があるという。

●投資歴をお聞かせ下さい。

 10年前に株式投資を始めたのが最初のきっかけです。この時、勧誘に来た営業マンの方から近くにいい農地があると教えられ、30歳にして初めて土地を購入しようかと考えました。ですが、バブル崩壊による地下の急落で痛い目に遭っている知人もみていましたし、私自身、土地が資産であるという感覚がなく、あまり気が進まなかったのでやめました。冗談みたいですが、田舎なので近くの山の購入を勧められたこともあります。
 余裕資金で行う資産運用とはいえ、やはりいざという時に役立たなければ何もならないと思うので、換金が容易なものがいいと思います。土地は買い手の問題がありますから、例えばすぐにキャッシュが必要になっても、売却したいタイミングで、なおかつ望ましい値段で売れるとは限りません。私が投資対象としているものは、いずれも好きなときに自由に換金することが可能です。自分で時期を選ぶことによって、自分の望ましい価格を選ぶことも可能です。
 
●現在の投資対象について教えて下さい。

 為替証拠金取引と株式、そして金です。金は地金で保有していますが、先日、一部を売却しました。ご存知の通り、最近、金価格が25年ぶりの高値という水準に急騰しています。現在の半値近い価格の時に購入した地金でしたので、かなり満足のいく売却益を得ることができました。金を売却して利益を得た分は、株の買い増しに充てました。
 「金はこれからもっと値上がりするかもしれないのに、もったいない」という友人もいましたが、だからこそ一部の売却にとどめたのです。運用先を見直すために換金するのに、自分の保有する投資対象の中で最もパフォーマンスが優れていたのがたまたま金であったというだけです。今回は、仕事で東京に行った際に大手地金商で地金を売却したのですが、他にも地金を売買するために多くの方が来店していました。恐らく、その日も金価格が高かったためでしょうね。一見、お金持ちとは無縁そうな身なりの方がカウンター付近に多くいらしたのが印象的でした。
 為替では、年初から暴落して話題を呼んだニュージーランド・ドルも保有しています。3年以上前から投資しているため、ごく最近になって投資を始めた人のように痛手を被ったということはありませんが、やはり気になりました。
そのときに、予想外の暴落ということで、いったん少ない利益を確定してしまってもよかったのですが、最悪の場合ゼロになってもいいものですから、何かもったいない気もして…。高金利通貨ですから、長期投資のスタンスでいればまたチャンスもあると判断して、しばらくはじっとおとなしくチャンスを待つことにしました。
 
●普段のお仕事と投資は一見しただけでは関連がなさそうですが。

 おっしゃる通りですが、お金の問題と精神的な問題とは、実は密接な関わりがあるのではないかということも、日々のカウンセリングを通じて感じています。現在、2つの企業と1つの病院でカウンセリング業務を行っていますが、悩み事の相談を通じて心の問題を探っていくと、お金と時間をうまく使えば解決できることもたくさんあるのに、どうしていいかわからず切迫した気持ちになってしまう人が少なくありません。反対に、必要以上にお金にとらわれて、お金の奴隷のようになってしまう人もいらっしゃいます。本当はゆっくり休養した方がいいはずなのに、お金のために心身を犠牲にしてしまっている人もいらっしゃいます。
 また、浪費とまではいかなくても、日々のお金の使い方、運用の仕方、お金に対する考え方に問題があると見受けられる人も少なくありません。ですが、多くの生活習慣病がちょっとした心掛けでかなり予防できるように、こうした「お金の生活習慣病」も、心構え次第でいくらでも改善できると思います。私も以前は、投資に対して不労所得は悪といった偏見的な考えがありましたが、自分の未熟な人生経験だけに頼った、偏りのあるかもしれない狭い視野に固執して新しい考え方を受け入れないのは損だと思うようになりました。今は、投資は頭に汗する労働であり、知恵を絞ることの対価と堂々といえます。株の売買や為替などの投資を通じて、世の中の動きを知り、新たな発見があるのを楽しみながら、お金の生活習慣病を治すのもいいと思いますよ。
 
●たしかに、相場の世界は心理の世界であるともいわれています。

 もう6年前に発行されたもので少々古いのですが、『賢いはずのあなたが、なぜお金で失敗するのか』(日本経済新聞社)という本があります。ここに紹介されている行動経済学という視点は、興味深いものですね。日本経済新聞にも、つい最近までこのテーマの連載が出ていましたね。例えば「心の会計」。
人は本来同じ価値を持つ金額であっても、それをどのように得たかによって使い方が変わる人が多いのだそうです。お金に価値と序列をつけ、例えば苦労して働いて得た100万円と、運良く宝くじで当選した100万円とでは、前者に価値を重く置く傾向があるそうです。このほか、株式投資における心得なども参考になります。



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